フレックスタイム制の会社を探すには？具体的な働き方と企業探しのポイントを解説

フレックスタイム制とは

まずはフレックスタイム制がどのような働き方であるかを改めて確認してみましょう。

フレックスタイム制の定義

労働基準法第32条の３において定義されており、要約すると「1ヵ月の決められた労働時間の範囲内でそれぞれの日の労働時間を決めることのできる制度」のことを指します。一般的には「コアタイム」と呼ばれる必ず働かなければならない時間を設けていることが多く、就業規則にどのように記載されているかを確認するようにしましょう。

フレックスタイム制と見なされない例

労働時間を自分で決められる＝フレックスタイム制
ではありません。

• コアタイムが労働時間のほとんどを占めており、フレキシブルタイムが極端に短い
• 始業時刻、終業時刻のどちらかのみしか決められない
• 始業時刻、終業時刻は決められるが、始業から必ず8時間は働く必要がある

といった規定がある場合、フレックスタイム制を導入しているとは言えません。

働き方の柔軟性を強調している会社の選考を受ける際には、フレックスタイム制に該当しているかを確認するようにしましょう。

フレックスタイム制で働くメリット

では、フレックスタイム制を導入している企業で働くメリットはどのようなものがあるのでしょうか？今回はフレックスタイム制の企業で働くメリットを3つ紹介します。

ワークライフバランスを取りやすい

フレックスタイム制で働くことで働く時間を柔軟に決めることができ、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。
例えば、

• 子どもの送り迎えの時間に合わせて時間を早める（遅くする）
• 競技の練習のため毎週水曜日の始業を早める

などの工夫により、仕事をよるプライベートへの影響を最小限にすることが可能です。

仕事の生産性が向上する

「朝に強いので早い時間から働きたい」
「朝が苦手なので遅い時間から働きたい」
など、時間帯によって仕事の効率性が変わる人もいると思います。
フレックスタイム制を活用することで、自分の得意な時間帯に労働時間をずらすことができるため、仕事の生産性が向上することも期待できます。ただし、会社がコアタイムを設けている場合はコアタイムを守る必要があるため、希望の働き方が100%実現できるわけではないことを念頭に置いておきましょう。

残業時間が減る可能性がある

就業時間が一定の場合、時間外に商談や会議が入った場合、時間外労働して残業をすることもあります。フレックスタイム制では、1ヵ月の決められた労働時間に達すれば時間の調整を行うことが可能なため、残業をした日以外の労働時間を減らすことで1ヵ月での残業時間も減らすこともできます。もちろん、フレックスタイム制であっても残業代が出ないわけではないので、調整を行わずに残業代を受け取ることも可能です。

フレックスタイム制の残業時間（時間外労働時間）は、清算期間の総労働時間と実労働時間の差で算出することが可能です。清算期間は会社によって異なるため、何ヵ月に設定されているか把握しておきましょう。

フレックスタイム制を導入する企業のメリット

フレックスタイム制は働く側だけでなく、雇う側にもメリットがあります。なぜ企業はフレックスタイム制を導入するのか、企業側のメリットについても確認してみましょう。

売上の伸長に期待できる

前述の通り、フレックスタイム制を活用することにより仕事の生産性向上が期待され、結果的に売上の伸長に繋がることがあります。また、残業代も少なくなることで支出を抑えることができ、会社の利益を増やすことができる点も経営視点で嬉しいポイントであると言えます。

離職率の低減が期待できる

従来の働き方だと、子育てや親の介護などのやむを得ない事情で仕事を続けることが難しくなるケースがありましたが、フレックスタイム制を活用することにより無理なく仕事を続けることができ、退職者を減らすことができるようになります。また、ワークライフバランスを取りやすくなり、仕事に対する満足度も上がることも離職率低減に繋がると考えられます。

求職者が集まりやすくなる

内閣府が行った『「仕事と生活の調和（ワーク・ライフ・バランス）に関する意識調査」について』によると、希望の働き方として「仕事優先」と答えている人は2.0%しかおらず、ほとんどの人が家庭生活や個人生活も大事にしたいと回答していることが分かります。働き方の多様化からワークライフバランスを重視する求職者も増えていると考えられるため、フレックスタイム制を導入することにより他社と差別化をし、求職者の母集団を確保できると言えます。

繁忙期に対応しやすい

事務作業や請求書対応など、月内で仕事の量にばらつきがある職場も多くあります。フレックスタイム制では、清算期間内であれば労働時間を繁忙期に寄せることもできるため、繁忙期と閑散期のバランスを取ることができます。

フレックスタイム制を導入している会社の探し方

ここまではフレックスタイム制を活用することによるメリットを労働者側と企業側に分けて解説しました。ここからは、フレックスタイム制の会社で働きたいと考えている人のために、フレックスタイム制の企業の探し方を紹介します。

求人サイトで検索する

マイナビやリクナビといった求人サイトには希望条件で求人を絞り込む機能があります。「フレックスタイム制」の条件で求人検索をすることで、フレックスタイム制を導入している企業を探すことができます。ただし、コアタイムについての記載やフレックスタイム制の活用割合などまで紹介されていない場合もあるため、説明会や面接で実際の働き方について確認するようにしましょう。

エージェントを活用する

就職・転職エージェントを活用することで、フレックスタイム制の企業をピックアップして紹介してもらえます。また、求人サイトには掲載していない「非公開求人」としてフレックスタイム制の会社が採用活動を行っている場合もあるため、自分では見つけることのできない求人に出会えることもエージェントを活用するメリットであると言えます。

エージェントの選び方のコツ

エージェントを活用してフレックスタイム制の会社を探す場合、どのエージェントを使うかも重要なポイントとなります。2つの点を意識してエージェント選びをしましょう。

求人数が豊富か

フレックスタイム制の会社を多く紹介してもらえるかをエージェント利用前に見分けるのは難しいと言えます。求人数が多い場合、その中にフレックスタイム制の会社が含まれる可能性も高くなると考えられるため、求人数の豊富さを判断指標の1つとすることができます。ただし、非公開求人として求人を保有している場合、求人数が把握できないこともあるため、初回面談でフレックスタイム制の求人を紹介してもらえるか質問することも有効です。

アスリート採用に強いか

アスリートは平日に練習をしている場合も多く、アスリート採用を行っている会社がフレックスタイム制を導入していることも多くあります。アスリート向けのエージェントはこうしたフレックスタイム制の求人を多数保有していると考えられるため、サービス対象に自分が入っていれば選択肢の1つに入れてみましょう。

マイナビアスリートキャリアではスポーツ経験のある全ての人の就職・転職をサポートしています。現役・引退、大会成績などは問いません。まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしょうか？フレックスタイム制は仕事とプライベートを両立させるための選択肢の1つであり、上手に活用することで生産性を向上させ、ワークライフバランスを取ることができます。会社によってフレックスタイム制の規定は様々であることから、企業を選ぶ際はフレックスタイム制の中身を詳しく確認し、納得して働くことができるかで判断することが重要です。効率的に企業探しを行いたい場合は、エージェントを活用して企業をピックアップしてもらうようにしましょう。