部活動も取り組みながら、
効率よく就活をしたい
- トップページ
- アスリートキャリアキャリアプラス
- すごいぞ、アスリート
- 「バレーボールを嫌いになってほしくない」松戸ダイヤモンドの監督が語るバレーボールへの想い
「バレーボールを嫌いになってほしくない」松戸ダイヤモンドの監督が語るバレーボールへの想い
.png?fm=webp)
スポーツ経験は、スポーツだけに還元されるものではなく、社会で生き抜くチカラに変換されていきます。
過去にスポーツをしていた、または現在もあるスポーツで活躍している人は、どのようにキャリアを選択して今、輝いているのか。
アスリート自身の経験談から「次の一歩」のヒントを得ていきます。
今回は松戸ダイヤモンドで監督をしながら営業として活躍されている伊藤さんにインタビュー!
松戸ダイヤモンド▶ https://www.matsudo-diamond.com/
▼伊藤祐樹
・松戸市立小金中学校(JOC千葉県代表)
・松戸市立松戸高校(IH2回、国体1回出場)
・日本大学(体育会バレー部)
・現在は松戸ダイヤモンドで監督を務めながら営業のデュアルキャリアとして活躍
バレーボール一色の今まで
―現在は松戸ダイヤモンドにて中学生クラブチーム監督をされていますが、ご自身もバレーボールにずっと携わっていたのでしょうか?
はい、23年間バレーボールをやっていました。中学生の頃から代表に選ばれ、気づけば23年間が経っていましたね。現役は25歳まで続けていたので、本当に競技一色の人生を歩んでいると思います。
―なぜ、バレーボールを始めたのでしょうか?
幼少期はリトルリーグで野球をしていましたが、中学校の体験入部でバレーボールが楽しいと思い、そこから本格的に始めました。これがバレーボール人生の始まりです!
―大学でもバレーボールを継続し、新卒では高校の教員となられて、そこでもバレーボールをご指導されていたんですよね?
はい、高校の教員になったのも、バレーボールを指導したいと思っていたからです。
―いつからそのように考えられていたんでしょうか?
バレーボールの指導者が素晴らしかったことと、学校が好きだったことが理由です。同級生と話したり、一緒に部活したり、日常生活が楽しく、いい空間だなと思っている学生時代でした。そこから将来の自分を考えた時、学校で働いて、自分のような豊かな体験をこれからの学生たちにしてほしいな、と思ったことが1つのきっかけで教員を目指しました。
―そして高校教員へ。有言実行されたのですね!
はい、約9年間指導者としてバレーボールを教えていました。
―9年間の指導者生活、どのような時間でしたか?
苦しいこともありながら、学んだことが多かった時間だったと思います。最初の3年間は母校で教えていたこともあり、自分らしく指導させていただきました。その後異動した先では、なかなか厳しい環境でしたね。慣れるまではコミュニケーションも難しく感じましたが、周りの先生方に助けていただきながら、指導者として全うしていました。OGの方と協力もしながら、チームを強くすることに全力を尽くしましたね。他県の先生方にも支えていただいたので、今回チームを立ち上げた時にはご報告もさせていただくほどの関係性を築けています。厳しい環境でも努力してよかったなと思えます。
そして最後の年に春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)に出場したタイミングで転職をしました。
―20代はずっとバレーボール指導者としてご活躍だったのですね!
長期休みも1週間合宿があり、朝から夜まで練習三昧でしたね。生徒たちもすごく頑張ってくれたな、と思います。指導者生活で学んだことが今に活きていますし、充実した時間だったと感じています。
―どのような部分が今に活きてらっしゃいますか?
部活だけではなく授業でも同様ですが、「ボールに触っていない人を作らない」ことを心掛けて指導していたんです。やっぱり同じ空間でもボールを触らないメンバーがでてくるんですよね。ただボールに触っている人とそうでない人では、上達スピードが違うと思っています。授業でも部活でも関係なく同じように指導していく事により、授業だけでもバレーボールをうまくなって好きになってくれる方が増えてきましたね。
それは、松戸ダイヤモンドの中でも活かしていることで、初心者の方だけに関わらず上級者のメンバーにも同じようにボールに触れてもらい、それぞれ個人の得意な部分や良さを伸ばしていっています。
中学生のクラブチームを作りたい
―松戸ダイヤモンドの中学生クラブチームをつくるきっかけは伊藤さんだったのだとか?
最初は本多(松戸ダイヤモンド代表)が大学3年生の時に社会人チームの松戸ダイヤモンドのチーム自体を作りました。その時に自分も手伝っていたのですが、転職後、「中学校のクラブチームを作りたいんだけど、どうかな」と誘ったのが僕なんです。
―なぜ中学生のクラブチームを作りたかったのでしょうか?
教育関係を離れても、バレーボールに触れていたかったということが1つですね。また、本多と僕の母校はもう男子バレーボール部がないです。部活がないって寂しいことであり、同じように寂しく思う人がいない環境を作りたいと思っていました。そのタイミングで部活の地域移行の話が進んでいたので、僕たちのように部活ではできなくてもクラブチームでバレーボールができる環境を作ろうと思って、始めました。
―クラブチームを作るにあたって大変だったことはどんなことでしょうか。
私と本多以外の指導者の確保ですね。松戸ダイヤモンドには社会人チームがあり、社会人チームのメンバーが数名指導を手伝ってくれるおかげで運営ができています。みんな社会人ですので、どうしても外せない仕事がある場合でも互いに声を掛け合うことで練習が休みになることはない状態を創れています。当初クラブチーム設立にあたり、社会人チームのメンバーにスタッフになってほしいという想いもあり声をかけたので実現してよかったなと思います。
―多くの方のご協力のもと運営で来ているのですね!大変な中でも、やってよかったと思われることはどんなことでしょうか?
現在のクラブ設立の前段階として、アカデミーを設立しています。いわゆるバレーボール塾のようなものですね。地元にこんなにバレーボールをしたいと思う生徒がいるのか、アカデミーを立ち上げてよかったなと思うほどに生徒の数が増えていきました。アカデミーに来る生徒は中学校の部活をメインにしており、進学先の中学校にバレーボール部がない!という生徒のために現在のクラブチームを発足しました。人数が集まるのか不安でしたが結果的には「バレーボールをしたい」という生徒が集まってくれたおかげで去年の夏から市内大会にも出場できるようになりました。そして、新人戦では初勝利を収めました!次の目標は県大会出場です。
―おめでとうございます!強化合宿などもあるのでしょうか?
合宿は、長期休みである春休み、夏休みの計2回で行っています。当初は単独での練習も考えましたが、SNSを使用して他チームにお声がけをして合同合宿を実施しています。生徒たちだけではなく、指導者同士の新たな出会いもあり、他県のクラブチームの状況など聞くこともできるのでとても刺激を貰える機会になっています。合同合宿で終わりではなく、その後もお付き合いのあるチームが多いのでバレーボールのクラブチーム業界を一緒に盛り上げていきたいですね!
―合宿となると、指導者も同期間休まなければいけないですよね?
そうですね。生徒は長期休みなのでもちろん平日を含めた合宿期間となります。社会人である指導者たちはお休みを頂く必要があります。必要な時に気軽に休めるように、社内での環境づくりも実は頑張っています!
バレーボールとチームの魅力
―バレーボールから得られたものはどんなことでしょうか?
「周りを見るチカラ」だと思います。バレーボールは競技柄、自分がボールを打つ機会も多い中で、すぐ得点につながります。他のスポーツもそうかと思いますが、ミスをカバーしあうスポーツなので、周りをみて何を求められているか考えたり、即座に行動できるようになりましたね。
そこがバレーボールの魅力の1つでもあると思います。
―1人1人がメンバーと向き合い、考え行動できそうですね。松戸ダイヤモンドのチームはどんな魅力がありますか?
「みんなで楽しくバレーボールをできる場所」ということですね。強いだけのチームではなく、バレーボールが楽しい、今後もやりたいと思ってくれたらいいなと思っています。その上で本気でやりたい!と思い、高校などの進学先でよりバレーボールを頑張れる環境に入ってくれたら指導者としては嬉しく思います。前提としてはバレーボールを嫌いにならず継続して頑張ってほしいなと思います。バレーボールを楽しくやっているメンバーばかり所属していることが、チームの魅力かもしれません。
―チームはどんな姿を目指しているのでしょうか?
松戸ダイヤモンドに入ってよかった、と思っていただけるようなチームになりたいです。選手だけではなく親御さんにも思っていただけるようにしたいですね。
苦しいことを体験することや辛い思いを経験するということも大事かもしれませんが、バレーボールの思い出が最高だった、と思ってほしいと思います。
成功への最短距離とは
―バレーボールを長くやられている伊藤さんだからこそ、得たものはどんなことでしょうか?
1番は計画性ですね!期日を決めたらそこまでに達成しますし、必要なことを準備して成功へ道筋を立てるようにしています。バレーボールでも例えば、チームで弱点を見つけ改善する必要があったとします。弱点だと思える部分を見つけるにはどのタイミングまでに練習試合をすることが必要か、など逆算して行動することができていますね。
―計画して行動するからこそ、成功への最短距離を歩むことができますよね。
そうですね。そしてコミュニケーション力も磨かれると思います。自分がどうしたいか、だけではなく周りがどうなってほしいか、どんなことを求めているかなどに気づき、コミュニケーションを取っていく事で最短距離になっていくと思います。
―お仕事でも活きている部分もありそうですね。
挨拶もそうですが、「当たり前のことを当たり前にできること」が大事だなと改めて思います。高校の恩師によく言われて今でも大切にしている言葉でもありますが、今後もしっかり立ち返って行動していきたいなと思っています。
デュアルキャリアで働く、という選択肢
―今は営業職と監督のデュアルキャリアとしてご活躍されていますが、両立で大変なことはどんなことでしょうか。
現在は営業職で直行直帰が可能な職場です。直帰ができるよう社内で働く日には仕事をまとめ、資料や荷物の整理や準備まで完了し、毎週計画を立て練習に参加できるように調整しています。計画的に行動することで極力自分の仕事を早く終わらせるようにしていますね。
―大変な中で、やっていてよかったと思う面、また両立するコツも教えてください。
これまでバレーボールで培った人脈がそのまま現在の仕事で活き、仕事につながることもあります。そんな出来事があると改めてバレーボールをやっていてよかったなと思いますし、共通の話題があるので何気ない会話も盛り上がります。
自分なりの両立するコツは、自分のやりやすいように環境を整えることだと思います。クラブチームではスタッフの人数を増やすことで、私が仕事でいけない日でも練習がなくなることはありません。仕事では、私が仕事を早く対応することで次に作業する人に余裕をもって仕事を預けることができ、なにか不備があっても時間に余裕があるのですぐに対処することができます。また、直帰が多くても不信感を持たれないように周りとコミュニケーションも多くとりますし、準備を予めしておけば大きなミスやトラブルは起きません。
―デュアルキャリアをするにあたって、アドバイスするならどのようなことでしょうか?
自分が「なにかしてみたい」と思ったらまず行動に移すことだと思います。私はたまたま昔からの知り合いである本多に相談し、自分の思い描くクラブチーム開設までそこまで時間はかかりませんでした。まずは行動し、相談できる相手に相談してみるといいかと思います。なにかするにあたって、向いていないことがあるなら向いてることや人を見つけるのもいいかもしれません。私が指導をメインに、本多は事務方をメインとしてクラブチームは成り立っています。
成功体験がつくる自分の自信
―仕事やクラブの運営において目標はどんなことでしょうか?
仕事面では、営業なので売り上げを毎年更新しながら達成していきたいですね。認められるような成果をだせるように努力し続けていきたいと思っています。
チームとしては、バレーボールを嫌いにならずに楽しくやっていて結果がついて行けばいいなと思っています。
―伊藤さんにとってのスポーツの価値とはどんなことでしょうか?
自己成長ですね。周りと協力し合うことや切磋琢磨する経験により、自分が成長できることが価値だと思います。
練習したことが試合でしっかりできると成功体験に繋がりますよね。大変な中でも練習を頑張ってよかったと思うことや、努力が実ったという自信にもなります。その経験は今後何かに挫折するようなことがあっても、自分の心に支えになっていけると思うんです。自分にとっての武器になり、社会でしんどいなと思うことがあっても乗り越えれるようになります。その経験を得られること自体がスポーツの価値だと、僕は思います。
―読んでくださっている皆様に一言お願いします。
私の記事を読んでいただき、ありがとうございます。オリンピック出場、メダル獲得、日本代表経験などあるトップアスリートの方とはまた違い、私と同じような経験の方の方が世の中には多いと思います。
これまでのスポーツ経験は必ず社会に出たときに役に立ちますし、現に役に立つと感じています。
私がクラブチームを設立したのは33歳の時でしたし、なにかを始めるのに年齢も関係ないと思います。スポーツ経験の豊富な方は周りを見渡せばたくさん仲間がいると思います。一人でなにかを始める勇気がなければ仲間に相談するといいかもしれません。
私の場合はたまたま中学生対象のクラブチーム立ち上げでしたが、今後もクラブチームを基盤にいろいろなことに挑戦していこうと考えています。
普段の仕事だけでは満足しておらず、退屈しているのであればこれまでのアスリートとしての経験を活かすことを考えてみるとより楽しい人生が切り開かれるかもしれません!笑
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
編集後記
今回は松戸ダイヤモンドの監督と営業マンとして活躍する伊藤さんにインタビューさせていただきました!バレーボールと仕事への熱量をひしひしと感じる時間となりました。ご自身の経験から、バレーボール部がない生徒たちにバレーボールができる場所をつくるといった思いは、部活の地域移行についても重なる部分がありこれからのバレーボール業界を牽引するクラブチームや環境づくりになっている、と感じられました。
これからも活躍される松戸ダイヤモンドのチームを応援しております!
インタビューさせていただきありがとうございました!
すごいぞ、アスリートの関連記事
その他のカテゴリの記事
- アスリートのセカンドキャリアは難しい?失敗しやすくなる傾向と成功のコツを解説就職・転職ノウハウ
- 社会人でサッカーを続けるためには?チームの見つけ方をレベル別に紹介就職・転職ノウハウ
- 自らの競技の可能性を信じて環境を変える選択をしたKさん中途 陸上競技 デュアルキャリア就活体験談/デュアルキャリア
- 広がった選択肢の中で自分に合う企業と出会えたMさんの就活25卒 陸上競技 デュアルキャリア(体育会就活)就活体験談/デュアルキャリア
- MACA アスリートキャリア アンバサダー卒業!その他
- 「サッカーしか知らない人」には、なりたくなかった――(前編)元Jリーガー×トップ営業 磯村亮太インタビューその他
- サービスを通して出会えた新しい選択肢‐Tさんの就活‐25卒 ボクシング デュアルキャリア(体育会就活)就活体験談/体育会学生
- 就活と部活の両立で両方ベストを出し切れたSさんの就活25卒 自転車競技 セカンドキャリア(体育会就活)就活体験談/体育会学生
- 転職活動を前向きに楽しむ気持ちが内定獲得に繋がったHさんの体験談中途 サイクルロードレース セカンドキャリア転職体験談/セカンドキャリア
- サッカー×建設業界・営業Ⅰさん 中途採用転職体験談/セカンドキャリア
- 【開催レポート】第5回Kurasu オンリーワンのプロランナー川内優輝さん ~現状打破に必要な物事の捉え方~開催レポートスクール・セミナー関連
- 【全学年対象】インターンシップオンライン説明会開催決定!2024年11月11日(月)13時~開催スクール・セミナー関連